タイ料理ライターブログ
1年の半分をバンコクで過ごすフードライター、白石路以(Rui Shiraishi)のタイ料理と日常。 バンコクのグルメ情報が中心です♪
2014/11/24 Mon.
カンタと刺子-ベンガル地方と東北地方の針仕事【日本民藝館, 駒場東大前】 

日本、秋です!
赤とか黄色とか茶色などに染まった木の葉がすっごくきれいで、
落ち葉の香りとともに吹く風も冷たいー。
都心にいても巡る自然に感謝したくなるような、
美しくて切ない季節に完全に包まれていますよー。なんという幸せ。
歩いているだけで右を見ても左を見ても
空を見ても地面を見てもきれいで、
触れる空気の温度も毎日どんどん下がって澄んでいて、
秋って本当に感動的です。
というわけで今日はそんな秋にぴったりの展示、
カンタと刺子-ベンガル地方と東北地方の針仕事
を日本民藝館で見てきましたー。

タイトルの通り、ベンガル地方のカンタ刺繍と
東北の刺繍をずらーっと並べたなんとも贅沢な企画。
カンタは19世紀後半のものから、東北の刺繍も明治時代の
ものからあって、昔の人の手仕事を至近距離でじっくりと
感じられました。
色使いもデザインも、温かくも洗練されていて
1枚見るごとに息をのむ美しさ。
どんな人がどんなことを思いながらひと針ひと針
刺していったのかなー。どれくらいの時間がかかって、
その間にその人の暮らしや思いは刺繍とは関係なく動いていて、
でもその暮らしの中でどんなことを思っていても
やっぱりひと針ずつ進めていったんだなー。
とか思うと、手仕事というのは人の暮らしの中にずっとあって、
その中で生まれて使われてきて、色やデザインはもちろん、
その文化的価値からしても今見ると完全にアートなんだけど
アートである以上に人の暮らしから生まれて、
その暮らしに密着した“もの”であったことが
とても大切で偉大なことに思えました。

よく前を通りかかる日本民藝館。
1936年に柳宗悦が開設した博物館で、
「民藝」という新しい美の概念の普及と「美の生活化」を
目指す民藝運動の本拠として開設されたのだそう。
1936年の時点で美の生活化を目指すなんて、さすがっス。
ちなみに、現在の四代め館長は深澤直人氏。
もちろん、ミュージアムショップでは柳宗理デザインの
カトラリーやお鍋なども売ってます。
展示最終日、駆け込みになっちゃったけど
本当に見られてよかったです。
そして、駆け込みと言えばこれもー!

パルコミュージアムでやっている
顔面遊園地
ナンシー関 消しゴムの鬼
中学生の頃から週刊朝日と週刊文春を毎週愛読していた
完全なるおやじ週刊誌ラバーのわたしにとって、
ナンシー関はかなり身近な存在。
亡くなった時は本当にびっくりして、今後の人生で
ナンシー関の新しいコラムを1本も読むことができないんだ……、
と思ったら、とても絶望的な気持ちになったのを覚えています。

格闘技もスポーツも一切興味のないわたしですが、
ナンシー関のコラムを長年読んでいたので、
アスリートたちの名言はたくさん知っています笑
日本民藝館もすごい人だったのだけど、
こちらのナンシー関も身動きできないくらいすっごい人でしたよー。
ナンシー関が生前に彫った消しゴムはんこの実物が
ずらーっと並んでいて圧巻。
はんこなのに、ましてや消しゴムなのに、人の本質を
トンと突いている作品が多くて、
「見えるものしか見ない。」というのはとても難しいんだけど、
広い意味でまっとうに行きて行くためには大切なのではないか、と思いました。
ちなみに一緒に行った友人はナンシー関のことを知らなくて、
時の流れの残酷さをちょっと感じた次第です。

カンタと刺子は今日で終わってしまったけど、
消しゴムハンコのほうは明日までやっているので、
興味のある方はぜひ駆け込んでみてくださいねー!
日本民藝館
http://www.mingeikan.or.jp/
顔面遊園地
ナンシー関 消しゴムの鬼
http://www.parco-art.com/web/museum/exhibition.php?id=704
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